稲佐の浜にまつわる神話(神在月と国譲り)


稲佐の浜-八百万の神の集う「神在祭」、そして「国譲りの神話」



出雲大社から少し離れてみると、大社内とは打って変わって、長閑で牧歌的な風景が広がる。
そして、数百メートル程歩くと、数多くの神話が神事が執り行われる「稲佐の浜」がある。

一般的に旧暦10月は「神無月」と言われるが、ここ出雲地方では、「神在月」と言われている。

旧暦10月10日の夜、稲佐の浜で 全国から参集する神々(800万!)を迎える「神迎祭」が行われ、その後、旧暦10月11日から17日まで出雲大社で会議が行われ、その間「神在祭」が開催される。

なんと、出雲大社の荒垣内には、神々の宿舎となる「十九社」までもある。

ちなみに会議の議題内容は、一般には縁結びの相談のため。
出雲地方が「縁結びの聖地」と謂われる所以ですな☆

稲佐の浜の中心にポツンとある大岩は、「弁天島」とよばれる神聖な岩。
そしてこの地は「国譲りのはなし」という古代神話の舞台地である。



<ものがたり>

昔々、葦原中国の国造りに励み、出雲の大国主神が「偉大な国の主」と呼ばれていた頃(「国造り神話」参照)、高天原では天照大御神(アマテラスオオノカミ)が強い嫉妬心に駆られていた。

アマテラス:「ムッキー!なんで、ワタシの兄弟で天敵の荒ぶる神、スサノオの子孫であるオオクニヌシが水穂国(日本)を治めているの?
私の息子である天忍穂耳命(アメシノオシミミノミコト)が治めなきゃダメなの!
・・・でもね、我が子がいきなり行くと危ないでしょ?オモイカネノ神よ、誰に先遣させたら良いかしら?」


オモイカネノ神:「・・・アメホヒノカミを遣わせるといいでしょう。」

アマテラス:「では、そなた大国主神を説得して来なさい!」

アメホヒノカミ:「アイアイサー!」

・・・しかし3年が過ぎても音沙汰無し。

アマテラス:「ヤツは3年たって何やっているの?そしたら、次はアメワカヒコに行かせよう!わたしの弓と矢を授けるから、早く行って話をまとめてきんしゃい!」

アメカワヒコ:「アイアイサー!」

蘆原中国にて・・・

アメカワヒコ:「おい!アメホヒノカミ!!3年間も下界で何してんだよー!」

アメホヒノカミ:「私は大国主神にお仕えすることにしたんだよ。あの方は偉いお方だ。御主も一目見れば分かるよ。そうそう、紹介するよ。彼女は大国主神の娘で、シタテルヒメという子だよ」

アメワカヒコ:「(シタテルヒメを見て・・・)ちょ、超かわゆい☆」

その後、アメワカヒコはシタテルヒメを妻にし、出雲の国を自分のものとしようと考え、八年経っても高天原に戻って来なかった。

再び高天原の神殿

アマテラス:「ミイラ取りがミイラになっちゃったわ・・・。こんどは誰を使いに出せば良いのだ(怒)?」

オモイノカネ:「では、雉名鳴女(キギシナナキメ)を使いに出しましょう。鳥になれるので、下界との間を即座に往復できるでしょう」

アマテラス:「よし、キギシナナキメよ。アメワカヒコの元に向かい、葦原中国に使いを出したのは、荒ぶる神を帰順するためじゃ。理由を正してこい!」

キギシナナキメは雉(きじ)になり、下界に降りていった。


葦原中国

アメワカヒコ:「おいらは、大国主神の娘の旦那~♪ 大国主命亡きあとは、おいらがこの国を治めるのさ^^ おやおや、不吉な鳥が止まっているぞ。」

キギシナナキメ:「おい、アメワカヒコ!そなたは何故使命を果たさぬのか!」

すると、アメワカヒコはアマテラスより授かった弓矢でその鳥を射殺し、血で染まった矢は高天原にまで届いた。

再び高天原

オモイノカネ:「この矢はアメワカヒコに授けたものじゃぞ。もし命令通り荒れすさぶ神を射とおしたら(アメワカヒコは)無事にすむが、もし命令に背く心があるなら、無事ではすまぬようにしてやる!」


「還矢(かえしや)よ、真意を選択せい!」


すると、その矢は下界にいるアメワカヒコの胸を突き刺ささった。
(のちの、『還矢はきっと当たる』ということわざの元となった。)

アマテラス:「・・・今度という今度は、どの神を使いに出せばよいのじゃ~><」

オモイノカネ:「建御雷之男神(タケミカヅチオノカミ~武甕槌神)が適任かと・・・。今度こそ、だ・だいじょうぶな筈です・・・。」

そして、船の神である天鳥船神(アメノトリフネカミ)を従えて、剣先に鎮座しながら稲佐の浜に降り立った。


稲佐の浜

タケミカヅチ:「おい!大国主よ。姿を現せ!!われわれはアマテラス大御神の命令でここに来た。御主が治めているこの国は、大御神(オオノカミ)の御子が統治するものだ!」

大国主:「ほえ~。私は年老いてしまったので、二人の子供に聞かないと、私の一存だけでは答えられないです。
息子である八重言代主神(ヤエトコシロヌシノカミ)は釣りに行っているので、呼び寄せましょう。」

と言い、八重言代主神を浜に呼び戻した。

タケミカヅチ:「やい、この国を大御神に譲るか?

ヤエトコエロヌシ:「了解しました。この国は天神の御子に差し上げたらよろしいでしょう。」

そう言い残し、八重言代主神は程なく姿を消した。
しかし、もう一人の子が巨大な岩を持ち上げながら、稲佐の浜にやってきた。

建御名方神(タケミナノカタノカミ):「貴様ら、我が国に来て何を企んでいるんじゃ!我が国が欲しけりゃ、おいらと勝負しろ!」


タケミカヅチ:「フッ、ならば受けて立とう」


こうして、葦原中国を巡って天神と国神との戦いがはじまった。


次回へつづく
LINK(国譲り神話と出雲大社)はこちら

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