18 August 2011

流海(霞ヶ浦)を巡る -12 鹿島神宮 奥参道、香島と鹿島のミステリー

Location 日本, 茨城県鹿嶋市宮中(大字)
流海(霞ヶ浦)を巡る
常陸国一宮 鹿島神宮 奥参道と奥宮、御手洗池

奥参道から境内を臨む
御社殿エリアを離れ、奥参道へ進む。
この奥参道にある神宮の森は、20万坪におよび、800種を超える草木が繁茂し、照葉樹林の北限である。

奥参道
静かで古木が林立している奥参道。
木々から発せられるエネルギーを全身で感じることが出来る場所。
歩いていて爽快な気分になる。

奥参道脇には「鹿園」があり、多数のニホンジカが飼育されている。

~神鹿について~
鹿島神宮の御祭神である武甕槌大神様のところへ、天照大神様の御命令を伝えに来られたのが天迦久神という方で、鹿の神霊とされていることから、鹿島神宮のお使いは鹿となっている。

神護景雲元年(767)に、藤原氏は氏神である鹿島の大神の御分霊を奈良にお迎えして春日大社を創建したが、そのとき御分霊を神鹿の背に乗せ、多くの鹿を連れて一年がかりで奈良まで行った。
その鹿の足跡が、東京都江戸川区の鹿骨をはじめとして、東海道を三重県の名張まで続いて残っている。

鹿島神宮 奥宮
重要文化財 「奥宮」
祭神 武甕槌大神荒魂

慶長十年(1605)将軍徳川家康公が
本殿として奉納されたものを
元和の造営の際に引き移したもの。

また、鹿島も古くは香島と書いていたが、養老七年(713)頃から鹿島と書くようになったのは、この鹿との縁によるものでしょう。
神鹿は長い間大切に保護されてきたが、幾度か新たに導入され、現在の神鹿はかつて鹿島から移った奈良の神鹿の系統を受けている。
(以上、鹿島神宮境内掲示板より)

春日大社 (奈良)
さてさて、中臣=藤原氏の氏神として崇敬されたのが春日大社である。
同社は、主祭神として鹿島神宮の御祭神であるタケミカヅチ命、香取神宮の御祭神であるフツヌシ命、そしてアメノコヤネ命及びその后神を祀っている。

ここに登場するタケミカヅチ命、フツヌシ命はいずれも武神で、高天原から降ってオオクニヌシに国譲りを迫った神として記紀に登場してくる。

奥宮 鳥居
しかし、この神々は、元々は『高天原=天津神系』に属する神ではなく、常陸の「多氏」(意富氏、太氏、大氏等)の祀った『国津神系』の大神で、地霊を鎮め、氏子を蝦夷といった異端の神々から守り、航海の安全を司る賽の神・海の神―「香島の大神」であったと考えられる。

御手洗池
古来神職並に参拝者の潔斎の池である。
池の水は清く美しく澄み四時滾々と流れ出てどのような旱魃(かんばつ)にも絶えることのない霊泉で神代の昔御祭神が天曲弓で掘られたとも宮造りの折、
一夜にして湧き出したとも伝えられ大人子供によらず水位が乳を越えないという伝説により七不思議の一つに数えられている。 
大昔は当神宮の参道がこの御手洗を起点としてこの池で身を清めてから参拝するので御手洗の名が今に残るのである。
この「香島の大神」が、古くから大和の春日山の神を祀っていた祭祀氏族の「春日氏」のもとに遷幸し、春日の地にも祀られるに至ったが、彼ら一族は台頭著しい藤原=中臣氏の氏神~『鹿島の大神』として書き換えられた。

末社 御厨社
祭神 御食津神

鹿島神宮の神饌を預る神で、
中祭以上の私祭に特饌を献じます。

中臣氏が王権祭祀の実権を握った後に成立したのが記紀神話である。
そこには当然多くの改竄や矛盾点が多い。

前々回に記した天津神のカグツチに端を発する天津神系列の『剣神・雷神』タケミカヅチ(建御雷)と、国津神系列のオオモノヌシに端を発する『海神・賽神』としてのタケミカヅチ(武甕槌)である。

このうち天津神系の建御雷は、新たに創作されたタケミカヅチであり、国津神系の武甕槌(オオモノヌシの子とされる)が、かつて多氏の祀っていた香島の大神としてのタケミカヅチなのではないか。

尚、中臣氏は古代からの名族であった多氏を抑え、中臣氏鹿島連を賜って実権を握り、さらに中央では春日氏、あるいは忌部氏などを抑えて王権祭祀の中枢を握るにいたった。

祖霊社と手水舎
尚、多氏についての詳細は、次に紹介予定の大生神社及び大生古墳群などで記してみます。

この地は社務所裏にひっそりと御鎮座されている祖霊社や御厨社など。
朱色で仏閣的な雰囲気の手水舎が興味深い。

以下、当ブログのリンクです
http://travelog-jpn.blogspot.jp/2011/08/12.html (鹿島神宮 本殿)
http://travelog-jpn.blogspot.jp/2011/08/12_18.html (鹿島神宮 奥参道と奥宮、御手洗池)
http://travelog-jpn.blogspot.jp/2011/08/12_20.html (鹿島神宮 要石)

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