戸隠山に挑む (2) 超難所 蟻の搭渡りから山頂へ

前回リンク→ http://travelog-jpn.blogspot.jp/2013/08/blog-post_24.html(戸隠三社~戸隠山胸突岩まで)

まずは戸隠メモ。
戸隠山は平安時代より修行の場となっていた険峰。
室町時代には『戸隠三十三窟』として成立し、修験者達は山中にある33の洞窟を巡礼していたと思われます。
現在もいくつかの窟が現存しており、遠くから見ても窟の存在が確認できますよ。

蟻の搭渡
9:35 蟻の搭渡~剱の刃渡

さて、胸突岩を登りきり最後の鎖場を越えると、その先には幅50cm程度のナイフリッジが待ち構えていた。
切り立った両側は高低差150メートル以上の絶壁!!(戸隠連峰ガイドマップより)

ここが難所 『蟻の搭渡り~剱の刃渡り』です。

おそるおそる渡ろうとすると、誰かが落した落石の音が・・・

『ゴロン、ゴローン、ゴローーン・・・』

と、沢全体に響きわたった。

止むことのない落石の音を聞いてしまい、
半端ない程の高低差なんだな・・・
と思った瞬間、身体が急に動かなくなってしまった。

さらに、ナイフリッジ(すなわち登山道)の真上にはなんと、猿のウ○チが乗っかっていた。
私達の後ろのパーティーの方はズボンにウ○チを擦りつけてしまっていました(笑)

エスケープルートはあるものの、長く垂直に近い鎖場を降りて、脆い岩質につま先が僅かに乗る程度の崖をトラバースしなければならず、どちらも危険・・・。
(協会の方に聞いたところ、先日の滑落死亡事故はエスケープルートを使用して滑落したらしい)

もし一回でもミスをしたら、間違いなく墜落~即死です。

剱の刃渡
勇気を振り絞ってやっとこさ、蟻の搭渡を通過したら、またもや難関、『剱の刃渡』が・・・。
ここは距離こそ短いものの、何と最小幅が僅か15cmのナイフリッジ!
私は跨いで渡らずに身体を岩にホールドさせて、尾根脇にある僅かな足場を頼りにカニのように進みました・・・。

蟻の搭渡~剱の刃渡

何とか無事に通過成功、とにかくパートナーの励ましのお蔭でした。
尚、渡った後はしばらく放心状態で、身動きが取れませんでした(苦笑)

蟻の徒も 手を引渡る山の背を
ためらひたどる 身こそ寒けれ (戸隠一首)

ガイドマップには北アルプスとの比較が。

事故の場合、北アルプスの場合は・・・
「転落、滑落。軽傷、重傷で助かることも多い。」

これに対し、戸隠連峰の場合は・・・
「墜落。したがってほとんど即死。」

・・・(無言)

ちなみに、昭和初期までは両脇には大きな木があったらしいが、雪崩により現在はこのような絶壁になったという。また、岩質が凝灰角礫岩(さざれ石)のため、岩盤が脆く風化が激しいため、年を重ねる毎に足場が痩せてきているらしいです。

八方睨
10:20 八方睨

蟻の搭渡を過ぎて八方睨に至る急坂~岩場を乗り越えて、何とか八方睨に到着。
少し早いがここで昼食&大休憩。

鏡池と蟻の搭渡
渡っているときにはガスがかかって眺望がなかったが、八方睨に着いた頃にはすっかり霧も晴れてきた。
改めて蟻の搭渡の絶壁でも・・・。

左:飯縄山 右:高妻山

南には僅かに飯縄山の眺望。
そして、戸隠連峰の最高峰、裏山こと高妻山の山容がくっきりと見ることができた。
本来ならば北アルプスや立山連峰の雄姿を拝むことができたらしいが、近隣の山々しか見ることができませんでした。

11:00 戸隠山頂

ゆっくり休憩したのち、戸隠山の山頂へ。
やったね!

戸隠山から九頭龍山までの「稜線歩き」はスリリング。
上の写真にある岩の上を進まなければならないのです・・・。

「天の岩戸」
大地に突き刺さっている高さ200メートル以上の岩塊。
まるで、戸隠山の由来となった「天の岩戸」のよう。
岩の割れ目の奥には、天照大御神が隠れられていそうな幽玄な雰囲気を醸し出している。

背後には飯縄山
眼下には戸隠神社奥社の参道がうっすらと見ることもできる。
それにしても何ともいえない高度差です!

足引の 深山の 奥の谷の戸に
たへず吹なり 間々の谷風
(深山の奥の谷の入り口に絶えず吹くことだ、崖の谷風は。)

自称『ゴリラ岩』
12:20 九頭龍山頂上に到達

何度か登り返しがあり、さらに歩いて右側(南側)は断崖が続いていて、肉体的にも精神的にも疲れたが、何とか二つ目のピークに到達。
上の写真は、まるでゴリラの横顔のような形の大岩だったので、思わずパシャリ。

そんなときに心を癒してくれるのが高山植物。
可憐なお花が数多く咲き乱れていました☆

「戸隠富士」こと高妻山の美しい山容。
撮影して数十秒後にはガスに包まれて消えてしまいました。

九頭龍山から一不動へ一気に下山。
木々が霧に濡れて青々としている。

13:30 一不動避難小屋

ようやく目印の一不動避難小屋へ到着。
ここは高妻山の登山路と交差する場所で、高妻山から下山してきた登山客と30分程会話したりしてリラックスしておりました。

帯岩

14:10 不動滝を越えて帯岩へ

一不動から先は大洞沢を一気に下る。
ガレ場が多く、沢を何度もクロスしたり、滝の脇を降下しなければならなかった。
(ちなみに「氷清水」という水場があり、そこの源流水はサイコーに美味しかったです。)

そして帯岩という一枚岩へ。
沢を下っていたせいか、足底が滑りやすくなっていてるので要注意。

帯岩を横切る。
『落石注意』と看板に書かれていても、この状態じゃ何もできません・・・。

帯岩と不動滝
そして、もし誤って足を滑らせてしまうと、上写真左側の大岩経由で滑落してしまいます・・・。

滑滝
14:30 滑滝

さらに急なガレ場を下っていくと、滑滝という鎖場へ。
滝の脇をゆっくり慎重に降下。

ところどころ濡れて滑りやすいが、慎重に進めば特に大きな問題はないかと思います。
パートナーもゆっくりと降下しています♪

15:15 戸隠牧場入口

沢伝いに進み、ようやくゴールの戸隠牧場入口に到着!!
何故か脱獄に成功してシャバに戻ったような気分(獄中に入ったことはありませんが)になっておりました。
とにかく、怪我なく山行できてよかった、ヨカッタ。

鎖場や沢下り等は楽しかったけど、「蟻の搭渡り」を通過するのは高所恐怖症の私には、流石にもう一回やれ!と言われても無理かもしれません・・・。

<まとめ>
総距離: 12.35km
最大標高: 1910m (戸隠山頂)
最小標高: 1081m (戸隠神社宝光社)
標高差:829m

次回からはいよいよ熊野三山についてです☆

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