熊野三山 熊野速玉大社

熊野速玉大社
(和歌山県新宮市新宮1鎮座)
熊野川と蓬莱山
田辺から熊野、そして二木島と熊野地方の隠国巡礼をした後、熊野三山へいよいよ入山。

今回のミッションは、熊野古道・中辺路最大の難所-雲取越(大雲取越・小雲取越)を通り、熊野那智大社から熊野本宮大社まで自分の足のみで踏破すること。

神が籠りし隠国へ
吾、修験に入らん!

鳥居
・・・その前に、まずは和歌山県新宮市に鎮座する熊野速玉大社へ参詣。
熊野本宮大社から脈々と流れる熊野川の河口付近にある霊峰千穂が峯の麓に坐する熊野速玉大社は、熊野三社のひとつに数えられているお社で、元々は熊野速玉大神、熊野結(夫須美)大神が鎮まる地である。
鳥居をくぐって、いざ入山。

手力男神社・八咫烏神社
参道を進むと、右手に鮮やかな朱色で彩られた祠が二殿並んでいる。

手力男神社 御祭神:天之手力男命
延喜式神名帳に『紀伊国弁婁郡手力神社小』とある式内社で速玉大社鑰宮。
もともと神門内に祀られていたが、嵯峨天皇の弘仁四年(813年)に勅命によって現社地近くへ遷り、明治四十年に新宮神社へ合祀されたお社。

八咫烏神社 御祭神:建角見命(タケツヌミ)
速玉大社末社で古くから丹鶴山麓に奉祀されていたが、現在地に遷座したという。
祭神の建角見命は賀茂建角身命とも呼び、京都の賀茂御祖神社(下鴨神社)の主祭神でもある。

御神木 梛の大樹
さらに進むと本神社の御神木であり、全国熊野神社の御神木でもある梛(なぎ)の巨樹が力強く立っている。
なぎの葉は金剛童子の変化身と考えられ、参詣者は帰途の安全を願い、梛の葉を厄除けとして身に付けていたという。

天然記念物
御神木 なぎの老樹
当熊野権現の御神木で平重盛公御手植えとして知られ、幹廻り六メートル、高さ二十メートル。吾国最大のなぎの巨木であります。
なぎの小枝を熊野詣のしるしに手折った事は古書にも見えています。

千早振る 熊野の宮の なぎの葉を 変らぬ千代のためしにぞ折る
藤原定家

神門
熊野速玉大社は神倉山のゴトビキ岩を御神体として祀ったのが始まりで、後に熊野川対岸の貴袮谷へ遷り、景行天皇五十八年(128年)に現在地に遷座した。
(神倉山については次回にて・・・)
創祀当初は、熊野速玉大神と熊野夫須美(結)大神の二神を祀っていたが、のちに本宮大社の祭神である家津美御子神(熊野坐神)を勧請し、熊野信仰の隆盛に伴い十二権現を祀るようになったという。

拝殿と第一・第二本宮
現在地を「新宮」と呼ぶのは、『旧社地に対し新しく宮殿を造った』ことが由来となっており、熊野本宮大社に対する「新宮」という訳ではないらしい。
また、『速玉』という名の由来についても、黒潮に乗り渡来してきた人々の船の早さを競った飛沫のことや、魂の急速な成長や、唾などの諸説があるようだが、真相はいかに。

上三殿
御由緒
熊野速玉大社は、悠久の彼方、熊野信仰の原点、神倉山の霊石ゴドビキ岩(天ノ磐盾)を御神体とする自然崇拝を源として、この天ノ磐盾に降臨せられた熊野三神(熊野速玉大神、熊野夫須美大神、家津美御子大神)を、景行天皇五十八年の御代(128年)初めて瑞々しい神殿を建ててお迎えしたことに創始いたします。

八神殿
中世、熊野御幸は百四十一度を仰ぎ、第四十六代孝謙天皇より「日本第一大霊験所」の勅願を賜り、また千二百点を数える国宝古神宝類が奉納され、全国に祀る熊野神社の総本宮として厚い信仰を集めています。
また、境内には、熊野信仰の象徴たる「梛の大樹」が繁り、熊野神宝館や熊野詣を物語る「熊野御幸碑」等があります。

鈴門
熊野権現信仰(三山三世信仰)
熊野権現信仰は奈良朝に起り、神仏習合の流布にともない、

熊野速玉大神 ⇒ 薬師如来 (過去世)
熊野夫須美大神 ⇒ 千手観音 (現世)
家津美御子大神 ⇒ 阿弥陀如来 (来世)

というように、神々はそのままでは俗世に御姿を現すことは出来ないので、仮に御姿を変えて現れる(権現)と説かれていました。これを本地垂迹思想という。

熊野三山を源とする熊野神社は、全国に及び三千数百社を数えます。熊野信仰が全国に広く浸透していった背景には、熊野修験・熊野比丘尼(くまのびくに)の存在があります。比丘尼達は、熊野観心十界曼荼羅や梛の小枝、熊野牛王符を携えて、津々浦々で御神徳を説いて語り、熊野信仰は全国に伝えられていきました。
(以上、御由緒より抜粋・追記)

新宮神社
境内社 新宮神社
明治四十年九月二十日、新宮町内に祀られていた当大社末社を境内の金刀比羅神社に合祀して、新宮神社となった。

おがたまの木
神門内に自生しているおがたまの木。
幹には苔が生していて、とても霊的な雰囲気を醸し出しています。

次回は、熊野を代表する磐座~ゴトビキ岩です。

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