22 May 2018

甲斐の社 酒折宮 日本武尊御旧蹟「連歌発祥の地」

酒折宮
(山梨県甲府市酒折3-1-13鎮座)

社頭
酒折宮は記紀神話に登場する舞台地で、日本武尊が東征したあと、筑波から戻る折に立ち寄った神話の地。この地で筑波山神社でも取り上げた連歌が詠われたとされ、「連歌発祥の地」といわれています。
また、倭姫命より授かった火打石を御神体として祀っています。

 境内の参道脇には、左(スマホだと上)は、山縣大貳謹撰の「酒折祠碑」、右(下)は元居宣長撰文、平田篤胤書「酒折の宮寿詞」の石碑があります。
また、旧社地の古天神前には連歌の碑があるようです。

境内へ。
酒折宮はもともと背後の月見山の中腹(古天神)にあり、神奈備山(御神山)として崇められいましたが、いつしか現在地に遷座したとのこと。
山腹や本社の近くには古墳群が多数あり、古代の祭祀場といわれる磐座も点在しており、山梨市~石和~酒折一帯は古代の神域だったと思われます。

拝殿
「酒折」という地名は坂道が折れ曲がった地域を指す説と、坂道を下ったところにある宮「坂下宮」(酒折宮)に由来する説があり、かつては坂折や阪折、酒依、酒寄とも書いたといいます。
ちなみに、南甲府周辺には東征の帰路、酒折宮に宿泊した日本武尊が当地で住民から朝餉(あさげ)を振る舞われたという神話のある「朝気」という地もあります。

本殿
酒折宮 
鎮座地 山梨県甲府市酒折3-1-13
御祭神 日本武尊
由緒
人皇第十二代景行天皇御代四十年、皇子日本武尊、東夷の賊徒を平定し、御帰還の途次常陸国より武蔵国を経て相模国足柄御坂を越えて甲斐の国に入り此の地酒折の宮に御駐輦せられ給いし事は古事記・日本書紀に記述されている。 
尊、御着宮の夜、宴を開き群臣共の旅愁を慰む。
宴中ばにして、尊過来し事ども思召されて
「新治筑波を過ぎて幾夜かねつる」
と詠じ、旅の程を問い給いしにお答へ申す者がなかった。
その時傍らで庭燎を焚く老翁、庭前に進み
「かがなべて夜は九夜日には十日を」
と続け奉りしにより、尊、厚くその聡を賞した。
この歌をもって我國連歌の濫觴(かんしょう)なりと云う。石碑は古天神前にある。

境内裏手(子ども達の遊び場)
尊はしばらく御滞在になり国内を巡視なされ、やがて信濃国に向はせ給う時、塩海足尼(しおのみのすくね)を召して
「汝は此の国を開き益を起し、民人を育せ、吾行末ここに御霊を留め鎮まり坐すべし」と宣り給いて「火打嚢」を授け給えり。
ここにいう「火打嚢」は、尊が御東征に向かわれるとき、伊勢の皇大神宮にご参拝の折、同宮の祭主であり、叔母君の倭比売命から「草薙剣」と共に賜われしもので途中駿河国で、国造に欺かれて野原に火を放たれ火攻めに遭われたが、剣で草を薙ぎ撥い、嚢の口を解き開き、向え火打って難を免れたものという。
塩海足尼謹みて御命を奉戴し、のちに社殿を建て「火打嚢」を御神体として鎮祭すこれ本宮の起源なり。

境内の石祠
古来、古天神と敬称し御旧蹟は本社より四、五丁距れたる山腹にあり、何時の頃か今の地に移せり。社前には元居宣長撰文、平田篤胤の書になる「酒折の宮寿詞」の碑、山縣大貳(江戸中期尊王論者)の「酒折祠碑」あり。上代、酒折は甲斐の治所の置かれた処であり国内に通ずる主要道路、九筋の路首に当り皆ここを起点としたと云う。
享保年間、柳沢吉保勅許を得て甲斐の八景に撰び定めた。その一つに「酒折の夜雨」がある。

冷泉中納言言為綱卿の和歌に
「くれぬまに嵐はたえて酒折に枕かる夜の雨になる音」があり、名勝古蹟の地である。
明治十三年、庚辰六月明治天皇御御幸に際し徳大寺侍従長をして御代拝あらせられえたを始め皇族貴顕の参拝等屢あった。
連歌発祥の地として、文人墨客の訪う者多く境内は樹木鬱蒼と茂りゆうすいの気に充ちている。
(酒折宮参拝の栞より)

梅がきれいな境内の木々
さて、当ブログでも古事記にある「日本武尊 東征」所縁の神社を行程順で抽出してみると、以下の通り数多くあります。

1.伊勢→尾張
皇大神宮 倭姫宮 熱田神宮
2.尾張→駿河
焼津神社 草薙神社
3.駿河→相模走水
寒田神社 深見神社

加佐登神社の日本武尊像
4.相模走水→上総
姉埼神社 島穴神社
5.上総→下総
式内元宮入日神社 蘇我比咩神社 など
(下総國の神社は日本武尊創始・所縁のお社が多いので他は割愛) 

草薙神社の日本武尊像
6.下総→常陸→新治筑波→武蔵
大生神社 吉田神社 筑波山神社 
金鑚神社 出雲伊波比神社 広瀬神社 
寶登山神社 三峯神社 など
(武蔵國の神社は日本武尊創始・所縁のお社が多いので他は割愛)
7.武蔵→足柄峠→甲斐
酒折宮 山宮浅間神社 北口本宮浅間神社

加佐登神社の日本武尊木像
8.甲斐→(信濃)→尾張→伊吹山→能褒野 
火上の里の館(氷上姉子神社)
加佐登神社(能褒野)
能褒野王塚古墳と白鳥塚古墳

その他、日本書紀に記載されている陸奥國でも・・・
馬場都々古和氣神社 刈田嶺神社 大高山神社

・・・などと、挙げたらきりがないです。

境内から鳥居、そして天狗山を望む
東日本に残る神話の拠り所のひとつともいえる「日本武尊のおはなし」の重要な地を訪れることができて感無量。
次回訪れる機会があれば月見山にも登拝してみたいです。


御朱印を頂く際に神職さんから優しくお声をかけて頂き、お茶まで頂きました♪
ごちそうさまでした!