1 June 2018

江戸の社 愛宕神社 江戸火災鎮護の社 出世の石段

愛宕神社
(東京都港区愛宕一丁目五番三号)


愛宕通り
現在はビルが立ち並ぶ愛宕周辺ですが、本神社以外にもお寺や古い歴史あるお蕎麦屋さんなどがあり、散歩するのにもってこいの場所です。
今回は東京23区内で一番高い自然の山~愛宕山の山頂(標高25.7メートル)に鎮座する愛宕神社について綴ってみたいと思います。

大鳥居
愛宕神社の歴史は意外にも浅く、徳川家康が江戸に幕府を開いた慶長八年(1603年)に幕命により愛宕山の山頂に、家康公のご持仏「勝軍地蔵菩薩」を勧請するために建立された防火・防災を御神徳とするお社です。

かつての江戸っ子には「愛宕大権現」とも呼び親しまれ、池波正太郎著の鬼平犯科帳にもたびたび登場し、江戸の古地図アプリを見ると、かつて坂下にあった円福寺という現在の廃寺が別当だったようです。

・・・ふと気づいたのですが大鳥居が朱色に塗り替えられています。
以前は茶色だった記憶があるのですが、現在の朱色の方が存在感が増してよいかと思います!

出世の石段
愛宕神社といえば、通称「出世の石段」こと、この「男坂」。
寛永十一年(1634年)三大将軍家光公の御前にて、四国丸亀藩の曲垣平九郎が騎馬にて正面男坂(八十六段)を駆け上がり、お社に国家安寧の祈願をし、その後境内に咲き誇る源平の梅を手折り将軍に献上した事から日本一の馬術の名人として名を馳せたことからそう呼ばれているらしいです。
(ちなみに写真右脇は「女坂」です)

出世の石段を上る
わたしも86段ある「出世の石段」を登ってみました。
思った以上に急勾配で段差の高さがあり、結構いい運動になります。
ちなみに、石段でのランニングやトレーニングは禁止されております。

境内
ようやく頂上へ。
境内は思ったより狭いですが木々や池がとてもきれいで、まるで庭園のなかにいるような佇まいです。

丹塗りの門
丹塗りの門の周囲も緑に囲まれています。
案内によると、「ほおずき市」や「羽子板市」は浅草の市の先駆けで発祥の地が本神社とのことで、現在も「千日詣り(茅の輪くぐり)・ほおずき縁日」として賑わっています。

拝殿
丹塗りの門をくぐると社殿が坐しております。
手前に生い茂っているもみじの葉が陽光に照らされて淡く光っているようです。
春の時期の参拝は、木々の葉がとても瑞々しいので大好きです。

社殿前には石灯籠二基とその手前には(見えづらいが)招き石が置かれております。
この石を撫でると福がくるらしいです。

境内の池
愛宕神社御由緒
慶長八年(1603)九月二十四日建立
主祭神
火産霊命(火の神)
罔象女命(水の神) 大山衹命(山の神) 日本武尊(武徳の神)
勝軍地蔵菩薩(勝運・出世) 普賢大菩薩(辰・巳年の守り本尊)天神社(学業)
境内末社
太郎坊社(猿田彦神) 福寿稲荷神社(宇迦御魂神)
弁財天社(市杵島姫命) 大黒天神祠(大国主命) 恵比寿神祠(事代主命)

左:滝の前にある鳥居 右:弁財天社

当社は徳川家康公が江戸に幕府を開くにあたり江戸の防火・防災の守り神として将軍の命を受け創建されました。幕府の尊崇篤く御社殿を始めた仁王門、坂下総門等を寄進され、祭礼等でもその都度下附金の拝領を得ておりました。また、徳川家康公のご持仏「勝軍地蔵菩薩」(行基作)も特別に祀られております。
江戸大火災、関東大震災、東京大空襲の度に焼失しましたが現存の御社殿は昭和三十三年再建されました。寛永十一年三大将軍家光公の御前にて、四国丸亀藩の曲垣平九郎が騎馬にて正面男坂(八十六段)を駆け上がり、お社に国家安寧の祈願をし、その後境内に咲き誇る源平の梅を手折り将軍に献上した事から日本一の馬術の名人として名を馳せ「出世の石段」の名も全国に広まりました。万延元年には水戸の藩士が御神前にて祈念の後、桜田門へ出向き大老井伊直弼を討ちその目的を果たした世に言う「桜田門外の変」の集合場所でもありました。

左:太郎坊社 右:福寿稲荷と大黒天社

海抜26メートルは都内随一の高さを誇り、桜と見晴らしの名所として江戸庶民に愛され数多くの浮世絵にもその姿を残しています。明治元年には勝海舟が西郷隆盛を誘い山上で江戸市中を見まわしながら会談し、江戸城無血開城へと導きました。鉄道唱歌にもその名が残り春は桜、夏の蝉しぐれ、秋の紅葉、そして冬景色と四季折々の顔を持つ風光明媚な愛宕山として大変貴重な存在となっております。
ほおづき市・羽子板市は浅草の市の先駆け、発祥の地として江戸時代の書「東都歳時記」にもその賑わいは記され、現在は督月の千日詣り、羽子板絵馬にその名残りをとどめています。
「伊勢へ七度 熊野へ三度 芝の愛宕へ月まいり」
昭和二十年、尊攘義軍十烈士が敗戦の国を憂い山上にて自刃・玉砕、並びに二夫人がその後を追われました。現在も慰霊碑の前でご遺族、有志の人達の手により慰霊祭が行われています。
(以上、境内掲示板より)

境内から見下ろす
境内からの眺望は「圧巻の絶景!」とはいえないが、男坂の急勾配はなかなか見ものです。

庭園のような境内
江戸の歴史とともに歩んでいる「江戸の華~火事」を鎮護する愛宕神社は、大江戸を代表する一社に間違いありません。

御朱印