15 June 2018

武蔵の式内社 虎狛神社(調布市) と 池ノ上神社 の巨樹

虎狛神社
(東京都調布市佐須町1-14-3鎮座)

野川
布多天神社参拝後、同じ調布市に鎮座する虎狛神社へ向かいます。
途中に流れる「野川」。
現在は桜の名所として有名で、つげ義春の漫画にも散歩シーンで登場しています。

石鳥居
野川を越えた先、佐須街道沿いに虎狛神社が鎮座しています。

本神社の主祭神は大歳御祖神。
神大市比売とも呼ばれ、大山衹命の御子神で、奇稲田姫の次に須佐之男命の妻となった神とされ、大年神と宇迦之御魂神(稲荷神)を生んだとされています。
大歳御祖神を祀る神社は静岡浅間神社内の大歳御祖神社(静岡県静岡市葵区)などがありますが、そんなに多くはありません。

拝殿
虎狛神社 
虎狛神社は、今から1425年前の崇峻天皇二年(589年)八月に創建され、農業の神様である大歳御祖神(オオトシミオヤノカミ)がお祀りされ祭事が始まったと伝えられています。爾来、地元住民に崇敬され、地域の団結と発展、心の拠り所として佐須の中心となっております。
後に穀物の神様である倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)も合祀され、江戸末までは、虎狛山祇園寺の別当が、神事を司っておりました。尚地域内には、祇園寺東に位置し、天照御大神をお祀りする『神明宮』、晃華学園南西角には、「里の稲荷」別名「樫ノ木稲荷」があり、これらも神社の氏子によって守られてきました。

拝殿
延長五年(927年)の『延喜式神名帳』には武蔵国の式内社四十四座、多摩郡八座の一つとしての記録があります。現在の社殿は天和三年(1683年)に再建され、調布・狛江両市にあって最も古い建造物です。このため平成二十四年には社殿並びにその小屋裏に残されていた三枚の棟札が調布市文化財の指定を受けました。

新築された覆い屋と幣殿
樹齢数百年とも言われた「黒松の大木」は生え際近くでは太さ2.3メートル、高さ約30メートルで、都内では三本の指に数えられる松の大木でしたが、落雷の被害もあり、残念ながら平成八年には、枯死してしまいました。
文政十一年(1828年)には神社正面入り口に石造りの大鳥居が、また参道右側には、高さ1.8メートルもある巨大な「佐須郡虎狛神社の碑」が建立されました。碑文は、当時の名主温井義那の撰によるもので、神社の名称の由来、歴史、「里の稲荷」等についても詳細に記されています。現在のような輸送手段がない当時としては、驚くべき大きさであり、極めて貴重な文化財です。

佐須郡虎狛神社の碑
拝殿がいつ建立されたかについての詳細な記録はありませんが、文化十二年(1815年)に社殿の修正が地元の職人によってなされた記録があります。
その後大正八年(1919年)に遷座式が行われた時にも改修されたようです。
それから約百年が経過した平成二十四年(2012年)、本殿が文化財の指定を受けたことを機に拝殿屋根、社殿の覆い屋、幣殿、そして手水舎の改修、新築工事に着手、平成二十六年(2014年)十一月に完了しました。 
宗教法人 虎狛神社
平成二十七年一月吉日
(以上、境内案内板より抜粋)

境内
社殿も近年改築されて境内も整備され、活力を取り戻したような佇まいをしております。
また、案内板のとおり石碑がとても大きく重厚で存在感がありました。
これからも地元に愛され続けてほしいお社のように感じました。


池ノ上神社
(東京都調布市深大寺南町4丁目2−9鎮座)


虎狛神社参拝後、青渭神社に向かって三鷹通りを北上することに。
途中に小高い丘があったので登ってみると、東京都心から電車で20分の場所では思えない長閑な風景が広がっています。

小道をテクテクと歩いてみると、石鳥居と小さな神社を発見。
折角だから参拝してみることにしました。

鳥居脇のシラカシの巨木と賽神のように置かれた磐が印象的なお社。
社殿後方には高速道路が走っており、崖のようになってしまっています。

調べてみると、本神社は池ノ上神社といい、絵堂(旧字名)の鎮守社で創建は不詳。
明治四十年六月に「里の稲荷社」と「池ノ上の稲荷社」を合祀して、池ノ上神社となったとのことで、祭神は池ノ上大神と倉稲魂命(うがのみたまのみこと)の二柱です。

社殿両脇には「里の稲荷社」と「池ノ上の稲荷社」と思われる祠が鎮座しています。
虎狛神社でも「里の稲荷」(別名「樫ノ木稲荷」)の話が出てきたので、往古より親しまれてきたお社なのでしょう。

また、『池ノ上大神』が水を司る神様のことは容易に推測できますが、神代水生植物園周辺の”池ノ上”にあることから名付けられた土地神なのでしょう。

そして、一番印象的だったのが、社殿後方に聳え立つ幹回り3.3メートルの大ケヤキ!
中央高速深大寺バス停の真上に生い茂っているなんて想像もしておりませんでした。
実に見事な巨樹でした。

中央高速道路が社地にかかってしまったせいで、社叢の多くの巨木が姿を消してしまったのがとても残念ですが、とても心に残る地元鎮守のお社でした。

実に牧歌的な風景で心が和みます。

次回は青渭神社です♪