30 June 2018

武蔵の式内社 谷保天満宮 東日本最古の天満宮

谷保天満宮
(東京都国立市谷保5209鎮座)

阿伎留神社参拝後、都心へ戻る途中だったので、南武線沿線のお社も併せて詣でました。
谷保天満宮は南武線谷保駅から徒歩3分程に鎮座するお社です。

谷保天満宮 社頭

谷保天満宮は「東日本最古の天満宮」といわれ、江戸時代には関東三大天神として、湯島天満宮・亀戸天神と並び称せられていた多摩地方の名社のひとつです。

『延喜式神名帳』の式内社「穴澤神社」の論社ともされていますが、東京都稲城市鎮座の穴澤天神社が有力のようです。

下りの参道
本神社は、表参道から下へ降りて境内に向かいます。
現在の甲州街道は境内の北側を通っており、そこから表参道が伸びてますが、かつての甲州街道は境内の南方多摩川沿い、立川段丘の下を通っていて、その名残りからなのでしょう。

社殿
表参道から続く参道を進み、天神坂を降りると社殿が坐しております。
祭神は菅原道真公とその三男とされる三郎道武公を合祀している天神信仰のお社です。

天神信仰とは、天満天神として神格化された菅原道真に対する信仰。道真の没後間もなく、天変地異が相つぎ、御霊信仰の広がりを背景にその祟りと恐れられました。
道真の霊は、雷神信仰とも結びつきながら神格化され、北野天満宮を中心に各地で祀られました。

菅原道真公が太宰府に流され、妻子との別れに京の都を離れるときに詠んだ
『東風(こち)吹かば にほいおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れるそ』
は、有名な句ですね。

谷保天満宮御縁起 
鎮座地 東京都国立市谷保5209
御祭神 菅原道真公・菅原道武公 
由緒
昌秦四年右大臣菅原道真公筑紫大宰府に左降の折、第三子道武公は武蔵国多磨郡分倍庄栗原郷(現国立市谷保)に配流せられた。
延喜三年父君薨去の報に、道武公は思慕の情から父君の尊容を刻み鎮座したのが起りである。
天暦元年、京都北野天満宮造営の折、当社の威霊を奏上され村上天皇の勅により神殿を造営され官社に列せられる。建治三年後宇多天皇の勅により藤原経朝書「天満宮」の扁額を納められる。その後、道武公の裔孫津戸三郎為守は源頼朝に仕え数々の武功を立てるが、養和元年十一月三日旧来の地(現在の国立府中インター付近)より神殿を現在の地に遷し、大宰府に模して梅香山安楽寺を興し、社務六院を置き祀典を司った。
明治十八年には府社に昇格し東日本における天満宮としては最も古く、湯島天神・亀戸天神と並び関東三大天神と称されている。

本殿
主なる社宝
後宇多天皇勅額「天満宮」(国指定重要文化財)
村上天皇奉献「狛犬一対」(国指定重要文化財)
菅公御染筆「法華経」
源義経染筆「大般若経」
水戸光圀公奉納扁額「天満宮」
本殿・拝殿(市指定重要文化財)
社叢(都指定天然記念物)
例祭日 九月二十五日
(以上、配布物「谷保天満宮御縁起」より抜粋)

拝殿
谷保天満宮は、多摩郡分倍荘栗原郷に配流されていた菅公第三子である三郎道武公が、延喜三年(903)年父君薧去の報を受け、本宿田圃の中州の天神島で父君を偲んで彫った道真公の御神体を祀り三郎道武公の死後、三郎殿とよぶ祠が建てられたことがはじまりと伝えられています。
その木彫の御神体は丈75センチメートルほどの一刀彫りの菅原道真公の座像で、明治三十六年(1903)の千年祈年祭のときに一般に公開されただけで、以降は門外不出とされています。

座牛
その後、養和元年(1181)に津戸三郎為守が「吾が館より丑寅の隅にうつせ」という「霊夢」にしたがって、谷保田圃に続く本宿田圃の中州にある天神島にあった天満宮を現在の場所に遷座し、谷保天満宮の別当寺安楽寺に子院六坊を建立して供養したと伝えられています。

ちなみに、現在の本殿は三間社流造で寛延二年(1749)に上谷保村の佐伯原七により建築され、拝殿は嘉永四年(1851)に建築されたと云われています。

五社合殿
本殿裏手の高台には天照皇大神宮・熊野神社・日吉神社・妙義神社・稲荷神社が祀られている五社合殿が鎮座しています。

左:磐座 右:三郎殿

五社合殿の両脇には菅原道真公の第三子菅原道武公を祀る三郎殿の石祠と紙垂で結ばれた磐座が坐しています。
三郎殿は当初社殿の奥にありましたが、火災により焼失してしまい、現在は社殿の裏に石祠として残っています。

境内厳島神社
そして、社叢に入る手前には厳島神社と弁天池があります。
弁天池は「常盤の清水」とも呼ばれ、東京の名湧水の1つに選ばれています。

左:三社合殿(稲荷合殿) 右:弁天社(厳島社)?

社叢に入ってしばらく進むと、稲荷神社(稲荷社)・蒼守稲荷神社(蒼守社)・淡島神社(淡島社)が合祀された稲荷合殿が坐しております。

そして、梅林の脇にひっそりと弁天社が祀られています。
弁天社の手前に大きな窪みがありますが、そこはかつて池だったとのことです。

美しい社叢
高台の社叢には多くの木々が生い茂り、実に心地よいです。
緑も春の参拝だったからか、とても生き生きした色をしています。

放し飼いのチャボ
そして、境内には石上神宮のようにチャボが放し飼いされています。
とても心が和みますね!


御朱印
ちなみに、本神社で御朱印を頂くとその日に限り御朱印帳を見せれば、本神社近所のカフェやラーメン屋さんなどで「施し」を受けることができます。
(詳しくは社務所にご確認下さい)

谷保駅周辺のお店
谷保駅前もなかなかディープな感じで私好み♪
次回は周辺の(かつての)別当寺含め散策してみたいな、と思うお社でした。